角度の屈折

当社の三次元万能傾斜バイスやバイトの研磨のページに度々出てくる角度の屈折という専門用語について解説します。

バイト研磨の屈折について通常のネジ切りバイト(下記図1参照)の場合

【図1】



上面部、フラットで角度開きは60°下逃げは8°となっています。このバイトを製作する為にブランク品を使用して研磨した場合、開きの角度がが60°なので片側30°片側30°合計60°の研磨で下逃げは共に8°ずつで研磨を行えば図1のようなネジ切バイトを製作する事ができます。

これは通常のネジ切バイトで屈折しない形状なので問題はありません。それでは下記図2の形状ではどうでしょうか?


【図2】



先ほどのような上面部フラットではなく、スクイ角の8°がついたネジ切バイトとなっています。これを先ほどのバイトと同じような研磨をした場合、図3のようなバイトが仕上がります。


【図3】



60°のフラットに研磨したつもりが、60°マイナスで仕上がってしまいます。これが角度の屈折です。





このように上面スクイ角をつけることにより、下逃げ角度も影響して60°の角度は絶対にマイナスしてしまいます。

実際にスクイ角が付いたネジ切バイトを製作している企業は、屈折を考慮してはじめから60°プラスの公差で研磨しているのが現状です。適切な角度でスクイ角がついたネジ切バイトを研磨するには三次元バイスを利用することで簡単に研磨する事が可能です。