技術について
銅、銅合金の切削
投稿者 : 謙櫻井 on
銅は金属の中でも比較的柔らかく、粘り気のある材質です。 銅の中にも純銅と銅合金の2種類があり、それぞれ更に細かく種類があります。 種類によって切削のしやすさやコツが変わりますので被削材の特性を把握して加工することが大事です。 非常に柔らかい材質なので、固くて削れないという悩みはほぼ無いといっても良いでしょう。 しかし、その特徴である柔らかさが加工を難しくする場合もあります。 非常に柔らかく伸びる性質のため、バリが発生しやすいです。 バリの発生を抑えるには被削材の特徴を理解し、最適な切削条件にすることが大事です。 弊社でおすすめのチップ材質は2ZZ(サーメット)や1S(超硬)をおすすめしております。 切削条件などのご相談にもお答えしておりますのでぜひお問い合わせください。
S45Cの加工について
投稿者 : 謙櫻井 on
S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)は一般的な構造物に多く使用される材質で、加工性や研削性、溶接性に優れます。また、熱処理により強度(硬度)を増すことができるなど幅広い用途に使用できます。 上記の優れた特徴や、安価であることから機械構造用の炭素鋼鋼材としては最も流通している素材です。 丸物の状態での流通が多く、角物での流通はほぼ有りませんので、今回は旋盤での加工に関してのポイントをお話しします。 旋削加工にあたって大事なのは刃物の選定と切削条件です。 切削条件を揃えても肝心の刃物が欠けていたり摩耗していたりすると仕上がりの悪い品物になってしまいます。 逆も然りで刃物が良くても切削条件が合わないと良いものはできません。 ・S45Cの加工におすすめのチップ 弊社のおすすめするチップ材質はMAX1Z(超硬)となります。 また、光沢面を出したい場合はサーメットもおすすめしております。 切削条件などの技術的な相談もお受けしておりますのでぜひお問い合わせください。
フラックスとは
投稿者 : 謙櫻井 on
フラックスははんだ付けやロウ付けには必須であり、母材表面の酸化物を科学的に除去し、ロウ付温度に到達するまで母材表面(ロウ付面)に酸化膜が生じないように保護し、ロウと母材との親和性を高めます。 弊社では、品質の良いバイト製作のために弊社仕様のフラックスを持っており、販売もさせて頂いております。 ご興味のある方は、ぜひ弊社仕様の高品質なフラックスをお試しください。
高周波ロウ付けについて
投稿者 : 謙櫻井 on
弊社では高周波ロウ付けという方法で切削チップをロウ付けしています。 その特徴と、ロウ付けバイト製作に向いている理由をご説明いたします。 一般に広く使用されているバーナーを使ったロウ付けは、バーナーから出る炎で母材をあたため、ロウ材を溶融し接合する手法で、ガス溶接の設備があればできますので設備投資のハードルは低いですが、難しい作業のため技術と経験が必要になります。それに対して高周波ロウ付けは以下のような特徴があります。 〇高周波ロウ付けの特徴 高周波ロウ付けは加熱コイル内にて二つの母材を加熱し、ロウ材を溶融して接合します。 局所的に加熱することが可能で、温度の管理が比較的簡単にできます。 〇ロウ付けバイトに向いている理由 ロウ付けバイトのチップは、加熱しすぎてしまうと切れ味が悪くなってしまったり、クラックの原因となってしまいます。 高周波ロウ付けの場合は高度な技術が必要ないので、誰がロウ付けしても温度の管理ができ、均一なロウ付けが可能です。 また、ロウ材の溶融温度に達するスピードが速いため効率の良い作業が可能であり、納期の短縮にもつながります。 〇まとめ 以上、今回は高周波ロウ付けの特徴をご紹介しました。
ステンレスの切削におすすめの超硬チップ
投稿者 : 謙櫻井 on
金属の中でも切削が難しいとされているステンレスですが、その特徴とおすすめの超硬チップをご紹介します。 ※一部SUS303やSUS416など被削性の高いステンレスもあります。 〇なぜ被削性が悪いのか 強く、さびにくいなどの良い特徴を持つステンレスですが、被削性の悪い材料でもあります。以下に理由を挙げます。 ・粘り強く、加工硬化してしまう ステンレスは鉄などの金属と比較すると粘性が高く加工硬化しやすい特徴を持っています。 そのため長時間にわたり切削を続けると、材料のステンレスが硬くなってしまい削りにくくなり、工具が破損しやすくなるなどの可能性があります。 ・熱伝導率が悪い ステンレスは熱伝導率が悪く、加工時に工具の先端部分に熱が溜まりやすく。その結果、工具の先端部分の破損や、材料が熱の影響を受けてしまいます。 〇ステンレスの加工に向いている超硬チップ 弊社ではステンレスの加工には「MAX1Z」をおすすめしております。 ステンレスの加工でお困りの方はぜひお問い合わせください。